「これからの司法書士制度~司法外交・空き家所有者不明土地問題・成年後見」勉強会 参加報告

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報告者:鈴森功亮

 令和7年10月19日、中島屋グランドホテルにて、「これからの司法書士制度~司法外交・空き家所有者不明土地問題・成年後見」と題する勉強会が開催された。

 参加のきっかけは、日頃からお世話になっている地元の司法書士の先輩からのお誘いである。私は、令和6年度に司法書士試験に合格し、開業してまだ半年程。そのため、司法書士として今後どのように歩んでゆけばよいか悩むことも多く、これからの司法書士に期待されている役割とは何かを知ることで、私自身の将来の方向性についてのヒントになればと考え、勉強会への参加を決めた。

1. 講演内容と所感

 勉強会では、衆議院議員上川陽子先生、衆議院議員井林辰徳先生、前衆議院議員大口善徳先生にご講演をいただいた。

(1)衆議院議員:上川陽子先生 

 講演内容:「司法外交とおひとりさま問題〜司法書士が果たすべき役割」

  • 「司法外交」という新しい概念を提唱し、日本の登記制度を海外に広める取り組みとして、カンボジアへの司法書士派遣事例の紹介。
  • 「法の支配」の重要性を強調し、今後もその実現に向けて活動を継続するとの力強いメッセージ。

 所感

  • 上川先生のメッセージから、司法書士としての使命を再認識し、国民の権利擁護と公正な社会の実現に向けて日々の業務に取り組む決意を新にした。

(2)衆議院議員:井林辰憲先生 

 講演内容:「所有者不明土地等問題への処方箋」

  • 相続登記は前年比3%増加。意義ある進展と評価。
  • 相続登記・住所変更登記の義務化により、所有者不明土地問題の解消に期待。
  • 司法書士が、社会問題に対して、積極的に関与する必要性を強調。

 所感

  • 私自身が司法書士として社会問題に積極的に関与することにより、業務を通じて社会貢献できる可能性を模索していきたい。

(3)前衆議院議員:大口善徳先生 

 講演内容:新しく変わる成年後見制度〜司法書士の役割

  • 司法書士は、弁護士と比較し、都市部への集中率が低く、地方も網羅している。そのため、専門職の後見人としては、最も多く選任されていることなどを紹介。
  • 今後の制度改正(スポット後見、三類型廃止、福祉制度への移行など)についての解説。

 所感

  • 成年後見制度の利用促進には受け手の存在が不可欠。私自身が受け手として、その期待に応えていきたい。
  • 成年後見制度の改正について、常に最新の情報を得られるよう積極的に努める必要があると再認識した。

2.総括

 三名の講師の先生の共通したメッセージは、「司法書士への期待」であった。司法書士としてできることは多く、地域社会を支える重要な役割を担っていることを実感した。「これからの日本を背負う」という覚悟を持ち、日々の業務に真摯に向き合っていく決意を新たにした。今回の勉強会は非常に有意義であり、私自身の将来の方向性についてのヒントとなった。

 最後に、貴重な講演をしてくださった先生方に深く感謝申し上げます。