2024要望事項の紹介⑥(静岡県公共嘱託登記司法書士協会) 

令和6年7月19日、公明党2025度予算・税制等政策要望懇談会が開催され、静岡県司法書士会、静岡県公共嘱託登記司法書士協会、成年後見センター・リーガルサポート静岡支部、そして静岡県司法書士政治連盟の4団体が出席し、要望を行いました。(報告はこちら

各団体による要望事項について、1テーマずつ紹介していきます。今回は静岡県公共嘱託登記司法書士協会による「官公署等」に該当する機関を一方当事者とする登記嘱託(申請)に関する要望です。

1.要望事項

司法書士法第68条第1項に規定する「官公署等」に該当する機関を一方当事者とする登記嘱託(申請)につき、他方当事者からも公共嘱託登記司法書士協会(以下、「公嘱協会」という)が受託できるようにすること

2.要望の理由

公嘱協会は「公共嘱託登記が共同申請でされる場合に、施行者の相手方から依頼を受けることはできない(注釈司法書士法第4版563頁)」とされ、公嘱協会の共同申請方式での受託範囲は、登記権利者・登記義務者双方が官公署等である場合に限定され、権利者・義務者のいずれかが官公署等以外の場合は、受託ができないとされている。
昨年、当協会は民間施行の土地区画整理組合より、短期間で大量の保留地の一般私人への所有権移転登記手続を行って欲しい旨の依頼を受けた。今回の依頼は、所有権移転登記を行うことによって、登記記録上利益を得る「権利者」が一般私人であることから、受託を断念せざるを得なかった。昭和60年の司法書士法改正によって生まれた公嘱協会制度が、官公署等が行う公共の利益になる事業に伴って大量の不動産の権利に関する登記を組織的に受託することによって、大量の登記事件を適正かつ迅速に処理することを可能とするところに意義があるにもかかわらず、司法書士法第69条の「官公署等」の範囲にも含まれ、短期間で大量の保留地の所有権移転登記手続を処理することを求めている民間施行の土地区画整理組合からの依頼を、公嘱協会が受託出来ないということは、公嘱協会制度の制度趣旨を全うすることができないということであり、改正していく必要があると考える